妙高山 海向寺 粟嶋観世音菩薩 陶板

touban2008-08-12

戯遊詩画人 泉椿魚さんは、平成20年5月に山形から秋田の男鹿へと『ご縁の旅の地』を移しました。
その折、お世話になった酒田の町。山形の酒田港を見下ろす日和山公園のそばに位置する海向寺にお納めすべく、椿魚さんが描いた一枚の絵をもとに、陶板を焼いて欲しいとのご依頼。
絵を描く動機をお聞きしました。こうでした。北前船で酒田の町が隆盛を誇っていた当時、町に働きに出て来ていた若い女性達が、日々の辛苦の窮みから逃れて魂の平安を求めて駆け込んだのが、海向寺でもあったそう。
その女性達の御霊よ安らかなれと祈り奉納すべく、深紅に金文字で焼き上げた『粟嶋観世音菩薩』をつくって欲しいとのご依頼。
和絵の具の九谷赤で一度焼き上げましたが、椿魚さんから、その中途半端な赤では乙女達の鎮魂にならない、。
何とかして真っ赤にして欲しいとのたっての希望。金と深紅の両立に頭を悩ます日々が続きました。ふとしたきっかけから金と紅蓮の表現法を思いつき、焼き上げて見て、恐る恐るの窯出し。その陶板が写真のものです。今となっては、またとないこの経験、ありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。